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「その靴下ラルフローレン?可愛いね。でも黒の方が似合う気がするんだけど」
中学1年の合唱祭。一度も喋ったことなんてない。
というよりも顔も確認せずただ後ろの席の目に入った靴下に向かって声をかけた。
「えっ!うん。ラルフローレンだけど・・どうしたの急に?ってどこから話しかけてるの(笑)」
どうやら彼女は僕の事を知っているようだった。それでも一度も話したことなんてないけれど。
落とした合唱祭のパンフレットを拾って顔を上げる。
大した表現が出来ないけど目がとても大きくて歯の矯正が少しだけ残念な、
でも整った顔の女の子がその靴下の持ち主だった。
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