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「・・う。りゅう・・。龍。」
誰かの声で目が覚めた。どれくらい寝ていたんだろうか。
ここまで寝たのはここ最近全く記憶にない。
ぼんやりする頭で目の焦点を合わせると僕の目線の先には高橋さんが立っていた。
「えっ・・・たかはし・・・・さん?」
夢を見ているのだろうか。疲れすぎてて現実と夢の区別がつかなくなっているのだろうか。
しかしそこにいたのは紛れもなく現実の高橋由実だった。
「どうして・・・・。」
言葉が出なかった。あんなに会いたかった高橋さんが今目の前にいる。
その現実にそれ以上の言葉が出なかった。
「木津君、ゴメン黙ってて。
実はね、私と由実は木津君が由実と会わなくなってからも連絡を取ってたの。」
岡田さんはそういうと僕の方を見ながら話を続けた。
「私は由実から大体の事情を聞いていたからもちろん木津君が由実の連絡先を知らないこと、
それから由実が成人式に来ないのも知ってた。
由実に口止めされてたんじゃないのよ。でもあの時木津君には言わない方がいいと思ったの。
だから知らないフリをした。」
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