~第零章~

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どちらを選ぶと言われても正直なところ、半分以上理解できていない桜華だったが… 「要するにそっちのミスなのよね!? 私としてはまだまだ生きたかった、家族や友達もいた。ミスならなんとか生き返る事は無理なの…?」 【すまないが同じ世界に生き返る事は無理だ、輪廻でまた新たな生命としてなら出来るが… そなたがそのままの人格で人生を生きたいのであれば別世界に転生しか出来ない。もちろんその場合は可能な限りの力は与える事も出来る。 転生先も出来るだけ希望に添えよう。】 どうしても無理らしい、その言葉を聞いて桜華は自分にまさか小説のような展開がおこるのかと悲しみやら怒りやらを達観し逆に冷静になってしまう。 そしてひとつの決心をした。 「…わかった。 なら私はまだ死にたくない、異世界でもいいから行く!」 【よかろう、ではレムに希望を言うがいい。元々は我とレムのミスだ、出来うる限りの償いはしよう。】 そう言って神様の声は消えた―― 『では桜華さん、貴女はどのような世界に行きたいですか?人がいる世界には魔法が発達した世界、科学が発達した世界、他にも色々あります。 貴女がよく読まれていた小説のような世界もありますよ。』 「どうせなら小説によくあるような魔法や錬金術やドラゴンやらいっぱいいる世界がいい、平和で(ここ重要)」 桜華はゲームやファンタジーものが大好きなのでどうせならそのような世界がいいと思っていた、そしてやりたいことがあった。 『わかりました、では光と闇の加護を受けた世界(クラレティス)にしましょう、多種多様な生命と自然、魔法がある世界です。もちろん桜華さんにはその世界の情報や魔法能力は差し上げます。他に必要な事はありますか?』 「簡単に死なない身体能力、言語能力、あと可能なら小説でいう創造と空間能力。」 『創造ですか…生命以外のものであれば可能ですが基本的に錬金術で作れるものは錬金術でしか作れません。よろしいでしょうか?他のは大丈夫です。』 「それだけあれば充分よ。」 桜華は別に勇者になるわけではない、ただ人生を楽しみたいだけだ、そして―― 『では、以上の能力と少し私達からのお詫びのしるしに加護などをおまけにつけておきます。 桜華さん、どうか楽しい時間を―』 そう言ってレムは私に何か光をぶつけた…そして私は再び眠りに――
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