~第壱章~

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「なんとか登れるかな、木登りとか子供の時以来だけど…」 桜華はとりあえず幹に手をかけて登ろうと足に力を込めてみた、すると体が凄い勢いで持ち上がる!? 一瞬違和感があり何だろうと思ったがそんなことより今の状態の方が重要だ… なんと自分の体なのに上手く動かしづらい、所謂神様に望んだこの世界で生きていくだけの身体能力が今までの身体能力より格段に良いらしく力の加減がわからない。 ジャンプなどしようものならきっと重力がないみたいな感覚??だろう、はっきり言って一般人な運動神経だった桜華には扱いづらい…。 「やばい、身体能力についてけない(泣)逆に怖いし…でも登らなきゃだからなぁ。どうしよう~空とか飛べたり出来んかな…?」 登れる能力があるのについてけないって本当に意味ない、運動神経はゆっくりならさなきゃなと考えつつ木の上に上がる方法を模索した。 空を飛ぶとなると思いつくのが魔女のホウキとかだけどそんなんないし…あとは羽かなぁ…漫画や小説で読んだイメージで創造したらいけるんじゃないだろうか――桜華はそう思い自分なりにしっかりイメージをすると背中に天使の羽が現れた。 だが、羽が出来たのはいいが動かすイメージがなかなか出来ない。 「うーん、失敗かぁ…飛ぶ感覚がわからない。他に、、、浮くイメージとかでやってみよう…」 よく読んでた小説に空気の膜で浮かぶ魔法があったから創造魔法とか出来るんじゃないかな、と思うと体の周りに空気の膜が出来た。 「よし!これならイメージしやすいしいけそう♪ゆっくり浮かぶ感じで―…」 ふわふわと上に浮かんで行く、初めての魔法がなんとか出来て桜華はうれしく思いながら木の上まで上がり太めの枝に降り立った、ここなら周囲を見渡せそうだ。
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