やってみな!

73/73
10267人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
それは私も同意見だ。 あれは恋というより―― 「何かミルさんは“好き”じゃなくて“憧れ”や“尊敬”に近いよね!」 私の思考を先読みしたかのように言う。 私もミーシャさんが言ったように、あれは“憧れ”に近いと思う。 ファイの強さに対する純粋な憧れ。そしてその強さを手に入れる為に努力し続けたファイに対する尊敬の心。 「やっぱりそうよね」 「うん! でも“憧れ”や“尊敬”は、“好き”に変わらなくもないよね」 確かに。それは言えてる。 なぜなら、私もそうだったからだ。 最初に会った時点では私の方が明らかに強かった。 でも、いつの間にかそれは違っていた。 彼は私を越え、まだまだ強くなる。……ファイには先が見えない。 いつか魔族と戦う時に、彼はジェントル君に任すと言って自分は関わらないと言っていた。 でも、本当は違うと思う。 ファイは更に強くなって魔族との戦いに自分も参戦する筈。 彼はいつも、いつでも「面倒臭い」「だるい」と言いながらも、本当に私達が危なくなったら何だかんだで助けにくる。 その不器用な優しさを私は知っている。 多分、ミーシャも。 だから、もしミルさんが憧れから好きという感情になった時に、彼の不器用な優しさに気付いたら、私も彼女を認めよう。 その後、ファイが起きるまで二人でファイが起きてる時には言えないような話題で盛り上がった。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!