大学の友人・誠子(せいこ)

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「うーん……絵美の気にし過ぎじゃない? 送信ミスだと思う」 キャンパスの学生食堂で私の話を聞いた誠子は、首を捻って感想を言った。 誠子は私と同じ、文学部の2年生。 地味で真面目な誠子とは、入学直後から仲良くなった。 うちの大学には、下からエスカレーター式に入ってきた内部生と、受験して大学から入学した外部生がいる。 全体的な傾向として、内部生は金持ちで派手で遊び好き、外部生は地味で真面目な学生が多い。 私と誠子は外部生。 私は内部生の前だと気後れしてしまい、大学で親しくなったのは外部生ばかりだった。
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