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時間は三十分ほど前に遡る――
「あらまぁ、助かるわぁ勇気君がいて本当に良かったわ」
「いえ、これくらい朝飯前ですよ、まぁ、本当に食べてないんですけどね」
「あら?そうなの?ならうちで食べてく?」
「え?いいんですか?」
「いいわよ、手伝ってもらったお礼よ、あ、でも私はもう出てくから自分でつくってもらうけどね」
「あ、ありがとうございます!」
「ふふふ、じゃあ行ってくるわね」
「はい、行ってらっしゃいませ」
……さて、紹介が遅れたな、俺の名前は人詠勇気、19歳だ。ちなみにさっきまで話していたのは俺の超超大親友、棚橋愛斗の母親の、愛子さんだ。彼女には小さい頃からお世話になっていて、大変優しくて気が利いて、正直愛斗にはもったいなさ過ぎる超ストライクゾーンの女性だ。彼女の笑顔はこの世の全てを包み込むような暖かさがある。まぁぶっちゃけ惚れている。本当になんて可愛らしいんだろうか、あぁ…………
「ママーあのお兄ちゃん気持ち悪いー」
「コラッ!見ちゃ行けません!変な病気がうつるといけないわ!」
………………
っといけないいけない、あやうく愛子さんモードに入ってしまう所だった。
さ、早く愛子さんの寝室……じゃなくてリビングへ行くぞ!
スタスタ…ミシ…
ミシ……スタスタ…ミシ…
「……リビングの床、立て付けが悪いみたいだな……後で直しておいてあわよくばご褒美として愛子さんにだきしめてもらうか」
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