夏休み

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生徒玄関からまっすぐ5歩。 目の前にある図書室の入り口を抜け、誰も勉強なんてしていない自習席の先の手前から3番目の本棚の裏側。 そこが夏休みの俺の定位置。 本が特別好きなわけではない。 それでもここに居続けるのは、ここに居れば会えるような気がしたからかもしれない。 前は一緒に居た 誰か 。 でもどうしても誰なのかが思い出せない。 大人に聞いても、「無理して思い出す必要なんてないのよ。」と哀しそうな顔をされるだけで、答えはでなかった。 ああ、今年も 何も進まない、退屈な夏が終わる。
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