僕と彼女の再会

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一週間部屋に閉じこもった。生きるために必要な最低限の行動、つまりは寝食だけであとはぼんやりと毛布に包まっていた。 数日経つとさすがに涙は出なくなっていた。何も考えていなかった頭は真っ白で、身体は魂が抜けてしまったような感じだったと思う。 思考していなかったので僕自身どういう状態だったのかよくわかっていない。 一週間ぶりに出た外の空気は、すっと身体の中に浸透し一週間溜め込んだ負の要素を浄化していくような感覚があった。 冬の太陽が道路にうっすらと積もった雪を照らし、道路がキラキラと輝いて見える。 眩しくて目を細めてしまう。風が強いので、防寒着のフードをかぶって歩き出す。 事故現場には献花が添えてあった。僕のクラスからのもあるようで、一年二組と花束の中に小さな木のプレートが入っていた。 ぼんやりと視界が滲んできてしまう。おかしなものだ、数日間涙を流さずもう枯れてしまったのかなと思っていたけど、自然と溢れてきてしまう。 雪で覆われているせいか道路に事故の形跡はまるでなかった。しいていえば、歩道と道路を隔てるガードレールが激しく損傷しているくらいのものだった。
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