プロローグ

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「お、さすがに今日は静かだね。先生、感心だよ」 それが入室した緒方先生の第一声だった。 当然のように教壇へと進んでいく彼女の後を、それよりも少しだけ遅く着いていく。 その間に、俺は軽く教室を見渡してみる。 「………………」 まず俺は、その多種多様な人物たちに驚くことになった。 やけに大人びた生徒から、子供じみた生徒まで。 この辺りにはここしか学校がなく、学生のほとんどが通っているというのは、事前に聞いている。 しかし、実際に目の当たりにしてみると、本当に同じ生徒なのかと疑いたくなるような。 机や椅子すらも統一されていないような、様々な人たちが、そこにはいたのだ。 そして、確かに先ほど緒方先生がもらした言葉の通り、幾つかの空席が。 ……どういうことなんだろうか。 「こほん」 緒方先生は、わざとらしく咳をおいてから語り始める。 そんなことをしなくても、しずかな教室なのに。 「えー、私の後ろにいる彼が、転校生くんだ。今から自己紹介をしてもらうため、各自黙ってしっかりと聞くように……。ほら、どうぞ」 「あ、はい」 緒方先生にチョークを渡され、その場を託された。
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