ーー シンデレラ.

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小学校に上がった時には同じ学校ですごく喜んだ。 「良かったね!」 「うん。いっぱい遊ぼうね!」 それから小3くらいまでは一緒に遊んだ。 けれど高学年になるにつれて遊ぶ事が無くなって、小5の時には逆に女子と男子で対立してたっけ。 「結香うるせんだよ!」 「男子が悪いんだから、謝りなよ!」 確か些細な事が原因だった。 その喧嘩から私達は全く話しもしなくなっていた。 私も悪いのだとは分かっている。 けれど素直に謝れないのは私の意地っ張りのせい。 そのまま小学校を卒業し、中学校。 少し見ない内に皆大人びていて。 それは淳也も例外ではなかった。 背は小さかったが子供っぽかった表情はどこへ。 この瞬間に私は自分の気持ちに気付いた。 私は淳也が好きなんだ。 けれど意識すればする程仲直りが出来なくなっていった。 大人になっていく淳也と、子供のままの私。 またそこでも意地っ張りが発動した。 奴が大人だと言うのなら奴から謝れば良い。 大人な淳也が。 ただの言い訳。 焦り。 苛立ち。 嫉妬。 いつもひねくれ者の私が悪かったんだ。 ーーーーー 中2の後期に差し掛かったくらいの事だった。 「結香っ!」 声変わりした男性らしい声で呼ばれた。 振り向けばまだまだ背の低い淳也。 「な、何?」 きっと可愛くない顔で答えていたはず。 早く帰りたいんだけど。 とかいう顔して。 「あのさ……ちょっと来てくんねぇ?」 .
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