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「え?」
「お前、この間仕事でうちの軍の大砲イカレさせたろ!」
「あ……」
「一台いくらすると思ってんだよぉ!!」
最後の方は泣き言に近かった。
確かに私はこの間の暴動で大砲を一台壊してしまった。
「わざとじゃないんだよ?」
「わざとぶっ壊してたら殺してんぞ」
「うへ……」
ヤバい。
淳也、目がマジだ。
殺られる。
「ご、ごめんなさい……」
「始末書の数だけ謝れ」
「何枚?」
「二十一枚」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい、ごめ……」
「もう良い、ウゼェ」
自分で言えって言ったくせに。
自己中め。
「あ、んで本題だが……」
今のが本題じゃないんだ。
「今度は”赤ずきんちゃん”だ」
真面目な顔から紡ぎ出される”赤ずきんちゃん”
笑い物である。
「ぶっ……くくくくっ……」
「笑うな。仕事だ仕事」
「わ、分かって……ぶふっ!……ます」
「はぁ……。狼がやけに増えて人間に被害を出してるらしい。数は150前後、お前とカナタで行けるか?」
資料の薄っぺらい紙束を受け取り、数枚捲ると狼の情報が。
武器は特に所持していない。
危険度は低。
「うん。これで150位だったら大丈夫」
「そうか。赤ずきんは最低限守り抜けよ」
「赤ずきんだけじゃなくて、住民全員助けるよ」
「おう」
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