島原

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「行こう」 「はい!」 二人は手を取り合い、走り出した。 しかし 「どこへ行くんですか?」 暗い路地裏に、女性の冷たい声が響いた。 「「!!」」 二人は慌てて、声がした方に振り返った。 「その女性は、島原の舞妓ですよね?勝手に連れ出してもらっては困ります」 闇の中から、黒い着物を来た女性が現れた。 着物だけではなく、髪も目も真っ黒な彼女はまさに"闇"そのものだった。 「あ……。紅……さま」 女性は目を大きく見開き、絶望の表情をしていた。 「紅?……!!あの、島原を取り締まっている……」 男性も思い当たる情報があるらしく、顔を真っ青にした。 「島原の人間でない者も知っているとは……。私も有名になりましたね」 静かな笑みを浮かべながら、紅は一歩一歩、二人に近付いていく。
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