第一章

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「おい宮野、いつまで怒ってんだよ」 「……」 「仁(ジン)、ほっとこーよ。こういう時の佳織はガンコだから…」 「お、おう…」 そうそう、今のオレのことなんかほっといてくれ。 ただでさえイラついてんのに、仁の小言まで聞いてたら、ブスッとした顔するだけじゃすまなくなる。 「なぁ、なんで宮野こんな怒ってんの?」 「なんか、今朝の自主練で最後のシュート外しちゃったんだって。しかもその原因が誰かに鼻で笑われて気を取られたからとか…」 「うっわぁ、そりゃ宮野怒るわ……」 「まぁどうせいつもみたいにすぐ機嫌なおると思うから、ほっといても大丈夫だよ」 後ろで仁と芽衣(メイ)のひそひそ話が聞こえるが、聞こえないふりをする。
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