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「え? 魔物?」
対してまだ声変わりしたての若々しい彼の声が聞こえた。口調がはっきりしていて元気そうだったので、レディは一安心した。
だが、彼は自分の身に起こった出来事を知らされていないようだ。
「君、何も知らないのか? そうか、落ち着いて聞いてくれ」
レディは話の先を瞬時に読み取り、会話に割って入ろうとした。
――お願い、言わないで!
だが、レディの行動を阻止するように視界が揺らぎ、ドアの手すりを掴み損ねてしまう。その隙に、最悪の事実を彼に告げられてしまう。
「君の中に魔物が封印してあるんだ」
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