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「私は……
その話を叔父である来家義信から聞いたの。
私は子供の頃から叔父を尊敬していて、思慮深い叔父と話をするのが大好きだった……。
叔父は姫無村と来家家の因習、その秘密を調べて心を痛めていたわ。
過去に来家家では鬼を出し、家の中に座敷牢を作っては隠し通してきたこと、そしてそれが過去に何度となく繰り返されてきたことに。
その事実を聞いた私も心が痛んだの。
私達に流れている血が、罪のない村人を……
一族を護ってきた村人を殺してきた過去を知ってしまった…… 」
正子さんの心の底から絞り出された言葉は、私の心を揺さぶりました。
正子さんは、自分の先祖達が村を支配し、村人は来家家を護り続け、その村人を殺してきたのも又自分の家であることを知ってしまったのです……そのままを受け止めるには余りに惨い事実でした。
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