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良江さんになら、分かってもらえないでしょうか。
男達は家を、血筋を護ることは考えても、それを絶つ勇気は持ち合わせていないの。
もちろん、義信叔父だけは別だったけど……。
私は、この悪しき因習と呪われた血は、私で終わりにしたかった。
辰彦を代々続く呪いと因習から遠ざけたかったの。
それは・・・・・・うまくいくはずだった」
正子さんは流れ出る涙をタオルで抑えました。
小隊長・・・・・・正子さんは父親が部下を切り殺した話は知っているようですが、それがまさか私の兄だったとは気がついていないようでした。
私は正子さんの涙を見ながら、それだけは正子さんに言うまい、と心の中で誓っていました。
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