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急に生暖かい風が吹き込んで、ゴロゴロと空が鳴り出したかと思うと、直ぐに雨雲が迫ってきたの。
雷と共に強い雨が地面を叩きつける音が始まり、叔父は慌てて雨戸を閉めたわ。
けれど、いつに無い激しい雨音と雷鳴は私達を不安な気持ちにさせたの。
ひときわ大きな雷鳴が響くと、灯りが落ちてしまい、部屋の中は闇に包まれて……
その時、私は叔父に抱きついていた。
叔父の暖かい腕に抱かれて……
私の腕は叔父の首に巻きついていたわ。
私達は、姫無村の魂に操られていたとしか思えない…… 」
正子さんの閉じた瞼から、また涙が溢れ出てきました。
「姫無村は、どうしても来家の血を……
一族の血を残したかったのでしょう。
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