赤い雪

13/20
前へ
/470ページ
次へ
何故かと聞かれても答えられない。 声なき声に告げられたとでも言うのでしょうか、私は自分のお腹を両手で押さえて確信していたの。 姫無村の人達に取っては、願ってもない朗報でしょう。 姫無村が護るべき、血筋の濃い後継者ができたのですから。 私は誰にも言えなかった。 母やトメさん達はもとより、義信叔父にすら言えなかった……。 言えば…… 言えば何かが解決する訳でもないもの。 本当は誰にも言わずにお腹の子と共に…… 来家の呪いと共に…… 終わりにしたかったの…… 」
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2961人が本棚に入れています
本棚に追加