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私の身体に又、震えが走りました。
正子さんと来家義信は、同じ宿命を背負って生きてきたのでしょう。
二人は数百年と続いてきた姫無村の因習と呪われた血を断ち切る為に、自らを犠牲にしようとしたのです。
正子さんが信じているように、姫無村の魂が来家の後継者を正子さんの身に宿したのだとしたら……
その後継者を失った今、残された後継ぎは……
私の震えは止まりませんでした。
「辰彦を……
辰彦のことをお願いできませんか…… 」
正子さんの口から出た言葉の意味を考え、私はもう気が付いていました。
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