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「辰彦を、来家の後継ぎにしてはいけない……
辰彦を来家家に戻さないようにして。
呪いが……
鬼が……
辰彦が来家家の当主になるのを待っているわ」
正子さんは、私をしっかりと見据えてそう言いました。
私も辰彦を鬼にはしたくありません。
その役目は私に移ったのです。
けれど、どう返事をしていいのか分からずに、ただ震えていました。
すると、
コンコン……
ドアがノックされて、看護婦と辰彦が部屋に入って来ました。
「来家さん、意識がハッキリしてきて良かったわね。
お熱を測りましょうね」
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