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「この度は、お嬢さんの婚儀が決まったとのこと、誠におめでとうございます」
二人揃って頭を下げている姿に、少しほっとしていました。
「与吉っつぁんったら、そんなこと?
わざわざ挨拶に来てくださる必要なんてないのに。
与吉っつぁんもノブちゃんも我が家の家族同然なんだもの。
近い内、正式に辰彦さんの方から挨拶させるわ」
私が微笑んでいるのに、二人は硬い表情のままです。
「そんな……滅相もありやせん。
それより……今日はもう一つ、大事な話があって参りました」
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