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山上の決心は固く、止めることはできそうにはありませんでした。
それに、山上の話を聞いていると、止めてはいけないと感じるようにもなりました。
山上はそれまでの人生の半分以上を桜木の家の為に尽くしてくれていたのです。
一度は戻らないと決めた故郷だった筈ですが、私の結婚が決まったことで安心して自分の人生について考えてみたのでしょう。
或いは信男のことを考えたのかも知れません。
山上は自分の思いで信男を東京から連れて来てしまったと言っていました。
信男を東京に戻す為に、自分が戻りたいと言うことにしたと考えると、とても山上らしいです。
何れにしても山上の気の済むようにさせよう、母もそう思ったようでした。
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