悪夢

6/26
前へ
/470ページ
次へ
「早く帰ってきてくれないかしら・・・・・・」 私は理由もない不安に襲われていました。 しかし、辰彦は朝から出掛けたと言うのに午後をとうに回っても戻らず、時間だけが過ぎていきます。 義信叔父が住んでいた家は電気も遮断してあるので、日が暮れてからは家の中にいられないはずです。 夕方になると不安が増してきました。 私は神田不動産に電話を掛けていました。 「ああ、神田さん? 今、お忙しいかしら? そう?良かった。 実は、うちの主人なんですけど…… 」 神田不動産に事情を話すと、快く車を出してくれると言います。 私は昔からの知り合いの神田さんに甘えることにしました。
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2961人が本棚に入れています
本棚に追加