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私は神田さんの声に驚いて、思わずびくりと身を震わせました。
「どうされました? 」
「いいえ。
なんでも・・・・・・。
主人は、ここには・・・・・・来なかったのですね」
「そのようです。
まだ、向こうの廃墟にいるんですかねぇ・・・・・・ 」
神田さんは不思議そうに何度も首を傾げて、停めてある車の方へ戻りました。
義信叔父が住んでいた屋敷は、車で数分の場所にありました。
神田さんが言っていたように、近付く前から廃墟であることが判る程、家自体に力を感じません。
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