悪夢

11/26
前へ
/470ページ
次へ
家屋にも生き死にがあるのでしょうか。 何十年、何百年経っても命の力を感じる建造物と、屍のように力の無い建造物が確かに存在するのです。 辰彦が生まれた来家の本家は、誰も人が住んでいないにも関わらず、強い力を感じた家屋でした。 しかし、目の前に近付いてきた義信叔父が住んでいたと言う屋敷は・・・・・・ まるで殺され捨てられた骸のように、全く命を感じさせない廃墟だったのです。 その廃墟と化した家屋の前に車が止まると、門の奥に座り込む辰彦の姿を見つけました。
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2961人が本棚に入れています
本棚に追加