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家屋にも生き死にがあるのでしょうか。
何十年、何百年経っても命の力を感じる建造物と、屍のように力の無い建造物が確かに存在するのです。
辰彦が生まれた来家の本家は、誰も人が住んでいないにも関わらず、強い力を感じた家屋でした。
しかし、目の前に近付いてきた義信叔父が住んでいたと言う屋敷は・・・・・・
まるで殺され捨てられた骸のように、全く命を感じさせない廃墟だったのです。
その廃墟と化した家屋の前に車が止まると、門の奥に座り込む辰彦の姿を見つけました。
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