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「神田さん、姫無村に住んでる人は随分と減ってしまっているようですね」
車の中で話し掛けると、神田さんは大きく頷きました。
「そうなんです。
もともと過疎化の進んでた村だったようですけんど、桜木さんの家から管理を頼まれてから……急に村離れする人が出てきて、あっという間に村人がいなくなりました。
今では、数軒を残すのみです」
村人の気配を感じなかったのも、それだけ激減していれば当然です。
辰彦の生まれ育った村は、無くなる寸前になっていました。
それは正子さん達、そして辰彦自身も望んだことではありますが、辰彦はどう思っているのでしょう。
当の辰彦は私達の会話が聞こえないかのように、一人窓の外を見ていました。
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