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「ご迷惑をお掛けしまして、申し訳ありませんでした」
駐在さんへの挨拶を簡単に済ませると、項垂れている辰彦の元に近寄りました。
「貴方、家に帰りましょう」
辰彦の様子がおかしくなったのは、姫無村の義信叔父の家に行ってからです。
一体、あの日辰彦に何があったのか、きちんと聞かなくてはならないと思っていました。
辰彦を促して自宅に連れ戻ると、私は座敷で辰彦に向き合いました。
「貴方、今日こそはきちんと話してください。
最近の貴方はどうしてしまわれたのです?
私達は夫婦です。
こんなに長いこと一緒にいるんですもの、私にはどんなことでもちゃんと聞く勇気はありますよ」
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