悪夢

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しかし辰彦は両手で膝を握り締め、項垂れたまま無言でした。 「貴方……。 はっきり言ってしまえば、姫無村の義信叔父の家に行ってから、ずっと変ですよ。 あの家で一体何があったのですか? 貴方は何を見たのです? 私達の間では、長いこと姫無村や来家家の話は封印されてきました。 それが亡くなった正子さんの望みでもあったからです。 私は貴方のお姉さんと、貴方を姫無村から守ると約束をしました。 それなのに、貴方を一人で義信叔父の家に行かせたことを今は後悔しています。 貴方がこんなに傷付いているのに、その理由も知らないことが辛いんです。 どうか、私にも貴方の悩みを分かち合わせてください」
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