2961人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし辰彦は両手で膝を握り締め、項垂れたまま無言でした。
「貴方……。
はっきり言ってしまえば、姫無村の義信叔父の家に行ってから、ずっと変ですよ。
あの家で一体何があったのですか?
貴方は何を見たのです?
私達の間では、長いこと姫無村や来家家の話は封印されてきました。
それが亡くなった正子さんの望みでもあったからです。
私は貴方のお姉さんと、貴方を姫無村から守ると約束をしました。
それなのに、貴方を一人で義信叔父の家に行かせたことを今は後悔しています。
貴方がこんなに傷付いているのに、その理由も知らないことが辛いんです。
どうか、私にも貴方の悩みを分かち合わせてください」
最初のコメントを投稿しよう!