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消防団の人から知らせがあったのは、午後になってからでした。
町には、人も入らない荒れ放題の雑木林があります。
夏には大人の背丈程の深い下草が生い茂っているので、中に分け入るには相当勇気が入るような場所です。
我が家の裏に通じている道は雑木林の一部を切り拓き、雑木林を横断するように作られていました。
辰彦は、その雑木林の奥深い木にぶら下がって亡くなっていたそうです。
その場所まで行くのにも大変だったろうと思われます。
警察の検分でも事件性はなく、本人の意思による自殺と結論付けられました。
私はもちろん、ノートのことは警察にも言っていません。
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