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修平は私が考え込んでいるのを見て、何かを感じたのでしょう。
けれど、修平と私の立場は違い過ぎました。
修平は辰彦の様子に気が付かなくて当たり前です。
前に修平が帰郷した時には、まだ悪夢が戻ってくる前だったのですから。
それに、修平は辰彦の実家である来家家の秘密を知らないのです。
考えてみれば、それも……あの当時の辰彦と同じです。
悪夢の連鎖を感じさせて嫌な予感がしました。
しかし、あの時の私達は正子さんから来家家の話を聞くことになりましたが、修平には真相を聞く人はいません。
それで良かったのだと思っていたのです。
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