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「母さん、心配そうな顔をしないでくれよ。
大丈夫、綾子はとても優しくて良い子だよ。
会えば母さんだって気に入ってくれるよ」
修平は彼女の存在を初めて話したので、私の反応を心配しているようでした。
けれど、私はもちろん修平が選んだ女性なら何の心配もしていません。
私が困惑していたのは、そんなことではありません。
四半世紀前の悪夢を思い出していただけなのです。
義信叔父と正子さんが亡くなり、そして母親までが亡くなると、辰彦は私との結婚を決意しました。
修平も同じように……父親の死をきっかけに自分のこれからの生活を決めたのでしょう。
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