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私には、二人には話せない自分の中にだけ収めておいた秘密がありました。
義信叔父が書き遺した来家の秘密も、辰彦が遺したノートに書かれていたことも、二人に話すことはできません。
受け継がれてきた来家の血が、たくさんの人達の人生を狂わせてきたことを思うと・・・・・・綾子さんの願いではありましたが、桜木家が絶えてしまおうとも、これで終わることがいいのではないかと考えていました。
義信叔父が書き遺した物は、二人のいない時に庭で燃やしてしまいましたが、辰彦のノートだけは燃やすことができずに手元に残してあります。
もちろん、私が亡くなる前に・・・・・・修平の目に触れる前には処分するつもりだったのです。
ですが、すぐには辰彦の最後の言葉であるノートを処分する決心がつかず……未だにそのままです。
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