鬼の遺伝子

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修平と綾子さんが結婚して十年目のことです。 「お義母さん、ちょっとよろしいでしょうか。 ……失礼します」 綾子さんが私の部屋に入って来ました。 少し頬を染めて嬉しそうな顔をしているので、私も釣られて笑顔になります。 「綾子さん、何か良いことがあったの? とても嬉しそうよ」 「はい。 実は…… 私達も、やっと授かることができました。 ……赤ちゃんです」 綾子さんは両手をお腹に当てると、はにかんだような視線をお腹に落としました。
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