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ガタン、ガタッ、ガタッ・・・・・・
離れの戸を開けると、電気も点けずに膝を抱えて座っている人影が見えました。
・・・・・・修平でした。
「修平・・・・・・
お前、一体どうしたの?
帰って来たのなら、母屋に入ればいいだろうに」
離れは修平の書斎部屋にしていましたが、修平は殆ど母屋の方で暮らしていました。
「夕飯はいらない。
今日はここで寝ると綾子に伝えてくれ」
修平は顔も上げずにそう言ったのです。
私は背筋がぞくりと反り返るような気持ちになりました。
修平と、あの日の辰彦が重なって見えたからです。
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