2961人が本棚に入れています
本棚に追加
/470ページ
翌日、役所に出勤した修平でしたが、昼過ぎに家に戻って来てしまいました。
そのまま離れに入って行こうとするので、私は思わず修平を呼び止めました。
「修平。
綾子さんも京子もいないから、ちょっとこっちに来て頂戴」
俯き加減の修平は、渋々と私の後から縁側を上がってきました。
「まあ、ここに座りなさい。
話をする時は、美味しいお茶を飲むのが一番よ」
私はお茶を煎れ始めましたが、修平の方は首を横に向けて話をするのを拒否しているような態度です。
「修平……
今の修平の心の内を理解できるのは、この家で母さんだけだと思ってる。
だから、母さんに胸の内を話してほしいのよ。
お願い…… 」
最初のコメントを投稿しよう!