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「貴方が来家の話を聞いてきて、苦しんでいるのは分かるわ。
けれど、父さんのことをそんな風に言うのは、母さんが許さない。
父さんは今の貴方のように、自分の先祖が村人に行っていた罪を知って傷ついていた。
そして、自分に流れている血を許せなくなって自らの命を絶ってしまったのよ。
父さんは噂になっているような狂人ではなかった・・・・・・ただ傷ついて怖れていただけよ」
修平は頭を激しく左右に振りました。
「母さんには分からないよ。
来家の血が流れている訳じゃないんだから。
父さんも狂い始めていたんだ。
来家の血が、自分の身の内から血を欲するのを感じていたんだよ。
だから他人を殺す前に自分を殺したのさ。
そうに決まっている」
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