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修平の眼は赤く血走っていました。
「僕には分かるんだよ、来家の血が流れているからね……。
姫無村出身者から、来家の人間が村人を生贄を扱うかのように残虐に殺してきた話を聞いたよ。
それなのに、村人は来家の血統を守ることが自分達の使命だなんて信じていたんだ。
塚信仰で、殺された仲間の魂を鎮めながら、いつの世にか来家の時代が復活することを信じさせられてきたのさ。
姫無村出身のやつは、父さんが自殺したのは来家家の呪いだって言うんだ。
つまり、父さんは鬼に変わっていたのだろうとね」
「それは……それは勝手な思い込みよ。
父さんを見てきたから、母さんには分かる。
父さんは鬼になれる人じゃないのよ。
父さんが自殺した本当の理由は……
母さんにも責任があるかも知れない…… 」
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