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私が煎れたお茶は、手を付けないまますっかり冷めてしまいました。
修平は私の打ち明け話にショックを受けたようです。
「来家の祖父さんが、この桜木家の叔父を殺したのか……。
それを知った父さんは、自分が桜木の当主になっていることに、さぞ罪悪感を感じたことだろう。
祖父さんは、来家の呪いにやられたのか……
とんでもない血筋なんだよ、来家は」
私は静かに首を振っていました。
「貴方のお祖父さんは、確かに狂っていたと思う。
人間の真面な神経をやられてしまっていたのよ。
けれど、あの悲惨な戦争下で狂った人間は来家の人間だけではないわ。
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