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「桜木の家への贖罪の気持ちと、来家の呪われた血への恐怖が、父さんの心を弱らせて自殺を選ばせたと言いたいんだね。
父さんのことは、一番良く知っている母さんの言うとおりなのかも知れない。
だけど僕は……
僕は、自分の中に宿っていた来家の性質に気が付いてしまったんだよ。
来家の血には残虐な遺伝子が何百年と受け継がれているんだ。
それが時に猟奇殺人鬼を生んだりしていたんだよ。
血を見ると興奮する性質……僕の中にも、そんな悪魔のような性質が……。
…………。
母さん、僕は大切な家族ですら傷つけてしまうんじゃないかと不安なんだ」
「修平、馬鹿なことを言わないで頂戴。
貴方は来家の呪われた噂に翻弄されているだけなのよ。
自分を追い込んだりせずに、しっかりして頂戴! 」
私は必死に、項垂れる修平の両腕を揺さぶっていました。
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