2960人が本棚に入れています
本棚に追加
私は離れを開かずの間とし、誰にも近寄らせないようにしました。
中庭は常にチェックをし、野犬などに掘り起こされないよう十分に注意をしていました。
私は京子を守っているつもりでいたのです。
けれど、当の京子は段々と心を閉ざしてしまいました。
思えば、あれだけの惨劇です。
いくら子供の京子だって、気が付かないはずはなかったのでしょう。
私は離れの戸を開けたまま惨劇現場に飛び込んでいました。
普通に考えれば、京子が目撃していたことは想像できたはずです。
けれど、私は盲目になっていたのです。
何とか世間から修平の仕出かしたことを隠さなくてはならない……
世間の目から京子を守らなくてはいけない……
その思いばかりが強過ぎて、正しい心を失っていったのです。
最初のコメントを投稿しよう!