そいつはやって来た。

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「よーるは冷えるぜ、港のヨーコ様、横から、横須賀~♪」 と、わけわかめなことを呟きながらアクセルをひねる。歌でも歌わないと、落ち着かなかったのだ。 まあ、常にヨーコは落ち着きがないが…。 先にある郵便局を曲がれば、神社だ。覚悟を決めて走り出す。 境内に原付で突っ込むと、ベースを弾いてる天女コスプレのお姉さんがいた。御堂の向こうで浮いていたお姉さんだ。 あわてて、バイクを降りて駆け寄った。 「さっきのあれって、演劇の練習かなんかですよね。そうですよね。いや~幽霊かなんかと思っちゃって、あはははん」 テンパりながら、一気に喋るヨーコ。 天女お姉さんの頭にはハテナが一杯だ。そんな天女お姉さんの様子を見てさらにテンパるヨーコ。 「あっ、いや、怪しい者ではないんです、なんか猫から手紙もらって、って言っても信じて貰えないかもだけど、怪しくはないんです」 ああ、私、死んだわ、なに言ってんだろう。そんなことを考えていると、お姉さんが口を開く。 「あの猫にお使いを頼んだのは私ですよ」 えっ
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