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「あ、ねぇ曖夢。それより、お願いがあるんだけど…いい?」
と、紗世は上目遣いで私に聞いてきた。
紗世が上目遣いの時は、なにかしら面倒くさいことがある。
「なに?面倒なことなら聞かないよ」
「えー。いいじゃん、ね?」
「…はぁ。話だけなら聞くよ」
「あのね、文化祭の実行委員、私と一緒にやってくれない?」
「却下」
即答で答える私。
明らかに面倒くさそうだ。
「なんでよー?」
「紗世、あんた分かってるでしょ?私がそんなのやらないことぐらい」
そう。紗世とは高一からの付き合いで(今は高二)、私の性格は知っている。
面倒くさいこと、ましてや委員長や、実行委員といった、必ずといっていい委員会での会議は、大がつくほど嫌いなのだ。
「わかってるけど~じゃ、じゃあ一緒にいるだけ!一緒にいるだけでいいからぁ。委員会の時とかは私が意見出すから、だからお願い!」
どうして紗世がこんなにも実行委員をしたがるのは理解できない。
去年はそんなこと一言も言ったこともなかったのに。
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