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高校の入学式で、愛里守と撮った写メ。
原田「この子、誰だ?」
原田さんは愛里守を指差した。
キラ「村雨愛里守。私の幼なじみです。すごい良い子だし、頭も良いんですよ。」
原田「綺麗な子だな。」
キラ「はい、自慢の幼なじみです。」
カチカチとケータイを操作して、写真はどんどん過去のものへとなり、中学三年の、はじめの頃のもの。
原田「雲英、いまより少し幼い。」
キラ「そうですか?」
自分じゃわからない。
キラ「でもまぁ、一年くらい前のものですからね。そうかもしれません。」
カチ、と、次の写真に進む。
───あ。
さっ、と写真を手で覆い隠した。
彼の、笑顔が見えたから。
原田「…?どうした?雲英。」
キラ「……ごめんなさい、これはちょっと……」
原田「……?ま、いいけどよ。」
ケータイをとじて、バックへしまう。
キラ「私、そろそろ寝ますね。おやすみなさい。」
布団に入ろうとした──が、それはかなわなかった。
原田「おいおい、ちゃんと髪拭いてから寝ろよ。風邪ひくぞ。」
私の首にかかったタオルを手にとり、頭をがしがしと拭いてくれる。
キラ「すいません…」
さっきの写真のことについて追求してこないのは、彼の優しさだろうか。
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