動く歴史と変化した歯車

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原田「雲英、先行くぞー?門で待ってる。」 キラ「あっちょ、待って、左之!いま行くから!」 ドタドタと、少し歩き出してしまっている左之をおいかける。 原田「っはは、んな急がねえでも、俺は逃げねえよ。」 この屯所…この時代に来て、一週間がたつ。 今日は、6月4日。 …池田屋事件まで、あと1日だ。 ここ数日でみんなともだいぶ慣れてきて、原田さんのことも左之と呼ぶようになったし、沖田さんは総司だし、斎藤さんは一君、永倉さんは新八と呼んでいる。 ちなみに土方さんだけは、いまも変わらず土方さんだ。 局長達とは、いまだ大した絡みはない。 …さて。 私達がいまなぜ門へ向かっているかと言えば、左之と二人で、おつかいを頼まれたからだ。 私のお遣いの内容は、上質な墨を買ってくること。 書道に使うものだ。 この間、私の書いた字を見た土方さんは、「意外に綺麗だな」と褒めてくれ(意外、というのはひっかかるけど。)た。 そして、祖父母が書道の師範だったということ、私も習っていたことを伝えたところ、「ちょうど墨がきれそうなので上質なものを買ってこい」と言われたのだ。 ちなみに左之のお遣いの内容は私は知らない。 そしてさしたる興味もない。 .
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