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キラ「なんでそんな非現実的なものに……
みんな私をなんだと思ってるんだ。」
向山「でも、"天女です"って言われても、違和感ないよ。」
キラ「え?」
樫山「髪や目は茶色だし、顔立ちもなんだか異人っぽいし。」
少し色素が薄いから、髪と目は少し明るめ。
顔立ちは、私はハーフではないが、よく"ハーフ顔だ"と言われる。
藤原「なんか、同じ世界の人間って感じしねーんだよなぁ。
ほんと、別世界の人間って感じ。」
ドキリとした。
だってお兄さんが、ほんとの事を言うから。
自分の正体。それは、異時代の人間。
この時代の人間にしてみれば、私は異世界の人間も同然だ。
キラ「……どれも違うよ。
私、土方さんの遠縁なの。
もとは江戸の方で祖父と二人で暮らしてたんだけど……
祖父が亡くなって、身寄りがなくなっちゃったんだ。
それで、土方さんがここで働けばいいって言ってくれたから。」
土方さんが考えた、私の身の上設定。
お兄さん達を騙すのは、心苦しい。
向山「そっか……無理しないでね、雲英。」
樫山「なんかあったらいつでも俺らに言うんだよ?
俺らは、雲英の味方だからさ。」
優しい言葉をくれる二人と、何も言わずに頭を撫でてくれるお兄さん。
……三人の優しさが嬉しくて、申し訳なかった。
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