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道場は誰もいないらしく、しんとしていた。
ガラ…
キラ「ぅえっ……」
埃っぽい。
むぁっとしてる。
汗臭い……私が犬だったら死ぬかもしれない。
だけど、りゅうは平然と中へ入っていった。
埃を吸わないように、口に布をあてた。
キラ「りゅう、ここ窓とか戸とかある?」
向山「うん、そことあそこと、それから──」
キラ「全部開けて。
とりあえず換気。」
向山「わかった。」
手当たり次第に窓や戸を開ける。
何…こんなに窓あるんじゃん!なんで締め切ってあんの!
キラ「この屯所には、綺麗好きな人間はいないの……?」
向山「あー…俺も初めは嫌だったんだけど、なんか慣れちゃって。」
広間といい廊下といい道場といい……慣れというのは恐ろしいものだ。
キラ「デッキブラシとかある?」
向山「でっきぶらし…?何それ。」
あー、デッキブラシは海外の物か……!
ってことは──これを、雑巾で…?
キラ「………とりあえず、はたき掛けしようか。」
向山「うん。」
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