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「安いよ安いよー!」
「本日の宿はお決まりですかー?お宿なら"里屋"が一番だよー!」
ザワザワとして、活気にみちた町。
私は今、りゅうと二人で町に来ていた。
土方さんに午後の仕事を聞いたら、「特に無ぇ」って言われて、暇だって言ってたら「うるせぇ、金やるから着物でも簪でもなんでも買ってこい」って言われて屯所をだされたのだ。
まぁ、最後に呟いた言葉を、私は聞き逃さなかったけど。
「女なら一着くらい自分の着物が欲しいだろ。」
私が着物を持っていなくて山崎さんのを借りてるのを、気にかけてくれたんだろう。
なんだかんだ良い人だ。
キラ「すっっっごーい!」
向山「あははっ、そんなに?たしかに京は栄えてるけど。」
キラ「うん、こういうとこ、初めて来たっ!」
向山「初めて……?雲英、どんな田舎から来たの。」
キラ「あー……まぁ、遠いとこ……かな。」
未来で私が住んでた場所は、そこそこ栄えた場所だったと思うんだけど……
だけど、初めてなんだもん。
車や自転車がないのに栄えた道。
メガホン無しの呼び込みの声。
それに群がる客。
金物屋や鍛冶屋。
八百屋、魚屋、着物屋。
今もあるものかもだけど、どれも私が知っているのとは少しちがくて。
すごく、新鮮に映ったんだ。
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