プロローグ

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     ●  ○  ● “──なぁ、聞いてる?” “ん、何が?” “あ、やっぱり聞いてなかった。さっきからずっと『それ』見ててにやにやしてたからそうだと思ったよ” “あはは……ごめんごめん” “でも、女ってそういうのよく欲しがるよな。この前海浜で拾った貝、俺探すのにめちゃめちゃ付き合わされたから分かる” “えーいいじゃん! キラキラしてて綺麗だよ。ワタルだって私と同じの貰ったよね” “でも、俺そこまで大事にしそうにないんだよな……そうだ、これ売ったらすごい金に痛ったぁ!” “絶っー対ダメ!! 認めません!” “そ、そんなの俺の自由だろ。俺のものなんだか──” “ダメったらダメなの! ……よし、ならワタルがそれを無くさない為にこうしよう” 夕暮れの中で、銀の髪がふわりと舞う。『彼女』はいつも通り、太陽のように目映い笑みを向けてきて、 “私と約束しよ。二人だけの秘密の約束”
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