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――――――――――…
カキーン…。
金属バットの音が響く。
この音が好き。
「ナイスー! 押田ー!」
…、大好きな彼がホームに滑り込んだ。
「また見てるー。」
「うっさーい。」
「部活にも集中しなさーい。」
「わかってるー。」
私の名前は浅原陽菜子。
軟式庭球部に所属する2年生。
テニスは前からやっていたワケではなかったので、
そこまで上手くはない。
「…、また見てたでしょ。」
「あは。 バレた?」
また見てた…。
それは大好きな彼のこと。
ここからちょうど見えるグラウンド。
そこに見えるのは…、野球のユニフォームを着た押田。
練習に集中できず、いつも見てしまう。
テニスが上手くならないのもそれが原因かも。
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